ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

ベートーヴェン~ピアノ協奏曲第5番「皇帝」~♪

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皆さんは、「皇帝」と聞くと、何を、誰を思い浮かべますか?
最初の皇帝、秦の始皇帝、ユリウス・カエサル、それともナポレオン。。。
ぺんぎんとしましては、やっぱり、皇帝ペンギンですけどね。。w

皇帝の「皇」は王の意(皇の下には王の字が)、「帝」は支配者の意なのだそうです。
中国を最初に統一した秦の始皇帝が、「皇」と「帝」の両方を使った「皇帝」の称号を始めて使ったといわれています。
彼は、強力な中央集権をしいて、中国を統一しました。政治機構だけでなく度量衡や貨幣、漢字をも統一したのです。また、北方の匈奴を鎮め、万里の長城を築きました。これは、長く中国の王朝の北方民族への防壁としての役割を果たしてきました。
多くの偉業を成し遂げ、皇帝と呼ぶにふさわしい人物ですね。一方で、焚書坑儒などの暴虐ぶりも伝えられています。近年ではこれも政治的なものといわれていますが、、

ローマのユリウス・カエサルカエサルは「皇帝」という意味に用いられています。
が、ユリウス・カエサル自身は共和制末期のディクタトル(元は非常時に1年のみの任期で任命される独裁官、ユリウス・カエサルは終身ディクタトルとなる)が最後の職務だっただけで、皇帝になったことはありません。
彼の養子であるオクタヴィアヌス(家名はカエサル)がアウグストゥス(尊厳なる者の意)の称号を得、プリンキパトゥス制(初期帝政、元首政・・・共和制の形を残した帝政)をしいて、はじめて帝政ローマとなり、彼が初代の皇帝となったのです。彼の家名カエサルが皇帝の称号として使われたのですね。さらに、彼はインペラトル(全軍の最高指揮権)の称号も得ます。
その後、後期ローマ帝国で四分統治が行われたときには、正帝をアウグストゥス、副帝をカエサルと呼びました。
この、カエサルインペラトルが、ヨーロッパ圏の「皇帝」を意味する言葉の語源となっています。
英語のエンペラー、フランス語のアンプルールインペラトルから、ドイツ語のカイザー、ロシア語のツァーリカエサルからきていますね。

ナポレオンはフランスなのでアンプルールですね。
彼は卓越した軍事力でヨーロッパを手中に収めようとしました。自ら皇帝の座に付いて、戴冠式では教皇から帝冠を授かるはずが、自ら冠を自分の頭においてしまったという、、それは、教皇に対して政治の支配のもとに教会をおくという意志を示したのですね。


さて、曲のほうですが、ベートーヴェンはまさにこのナポレオン戦争のさなかに作曲活動をしていたわけです。このピアノ協奏曲5番が書かれる数年前に交響曲3番「英雄」が作曲され、最初英雄ナポレオンに捧げられたといわれています。
が、このピアノ協奏曲第5番に付いては、ナポレオンはまったく関係がないようです。
この曲が「皇帝」とよばれるのは、この曲の曲想が皇帝を思わせる(って、どういう感じなのでしょう)、この曲の規模や内容が皇帝と呼ぶにふさわしい、というような説が有力なようです。

冒頭から、ピアノが華やかにソロで堂々と流れます。その後、主題の提示がオケによって続きます。
これが結構長いです。この部分の終わりにピアノが加わって、協奏曲らしくなるのですが、今回のMIDIでは冒頭から、次にピアノが出てくるところまで、オケの提示部を中心としていますので、あまりピアノ協奏曲らしいところがありません。が、堂々とした旋律は素敵ですね。