ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

チャイコフスキ交響曲第6番「悲愴」作品74

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一昨日、渋谷のNHKホールへ久しぶりにコンサートに出かけました。
NHKの音楽祭とかいうののひとつで、ゲルギエフ指揮N響演奏のロシアものです。

実は、去年の12月、国立まで出かけてレニングラード歌劇場管弦楽団の演奏で同じ曲を聴いたのですが、オケはよかったと思います。ほかのプログラムも、そんなもんかな~(って、よく知らないだけのことですが)でしたが、この曲だけは気に入ってるというこだわりがあるので、何か腑に落ちないものが残ったのでした。去年のきじはこちら⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/penguin4_ne_jp/36210297.html

そこで、今年はゲルギエフさんで聞いてみようと思ったのでした。
前のは、ロシアの管弦楽団に日本人(アマチュア?)の指揮者、今回は日本の交響楽団にロシア人の指揮者、どんな違いがあるでしょう、と言うのがちょっと興味ありました。

仕事先から、急いで代々木乗換えで渋谷へ来て、坂を駆け上がって、でも~着いたときには、プレトークはほとんど終わり、、
「それでは、みんなさん、弦楽のための3楽章に盛大な拍手を・・・」というくだりでした。。

たぶん、初めて聞く芥川也寸志の「弦楽のための3楽章」、現代音楽はどちらかというと苦手ですが、聞きやすかったです。そういう曲なのか、そういう演奏なのか、、わかりませんが。
続いて、プロコフィエフのピアノ協奏曲3番。ピアノはアレクサンドル・トラーゼ。
私には馴染みのない名前ですが、なんとなくルガインスキーみたいな人を想像しました。(ロシア人だから?)
でも~大柄な指揮者のゲルギエフと一緒にステージに現れたのは、気のよさそうなぽちゃっとしたおじさま、、、イメージが見事に外れましたが、この人のテクニック、すごいです。。
最初のところから、弾き方が普通じゃないです。ば~んと音を鳴らすところで、椅子から体が浮くほどに体重をかけて弾くんですね。指のくるくる回ること、、まるで曲芸のようです。
聞かせるだけじゃなくて、見せる演奏でした。
演奏が終わったら、すご~い!!とか、彼の技をほめる言葉があちこちで飛び交っていました。

実は、最初の2曲、聞いてる間に、とっても眠くなりました。
それは、演奏が退屈とかいう理由ではなくて、体がとても疲れていたのです。
なので、心地よく座って音楽を聴いていたら、眠くなってしまったのです。
いつの間にか目を閉じていました。でも、脳裏では音楽はず~っと鳴り続けているのです。それが、すごく気持ちいいのですね、、、
半分寝てても音楽はしっかり聞こえてると言う状態です。

が、、、休憩を挟んで、チャイコフスキが始まると、しっかりと目の方も開いてきました。
これを聞きに来たんですもの。

もう一度よくステージを見回しました。しまった~今日はオペラグラスを忘れた。。
2階(前の方じゃないです)右手の方に座っていましたから、一人ひとりの顔はよく見えません。ゲルギエフさんの顔もよく見えません。本当にCDのジャケットとかにあるように、目がぎろっとしてるのでしょうか?確かめることが出来ませんでした。
トラーゼさんとカーテンコールで出てきたときは、にこやかに(だろうと思うんですよ、見えませんでしたが)、「お先に、どぞ~」「いえいえ、そちらこそお先へ~」みたいに譲り合っていましたから、写真の目から来るいかついイメージは薄らぎましたが。

楽器の配置も知りたいと思いましたが、よく見えません、でも目を凝らせば、大体わかりました。楽器の配置は最初の曲のときからほとんど変わってないと思います。
途中で目を閉じたので断言できないのですが。
低弦のVcおよびCbが左側に配置されていました。たいていは右側ですよね。
MIDIでパンを振るときに、オケの配置を想像しながら数値を入れているので、実際の演奏を見たときに参考までに配置をチェックしています。
この演奏会の主役はこの曲のはずですから、楽器配置はこの曲に合わせていると思います。最後列左がパーカッション、右側にトロンボーン(3か4、忘れました)とチューバ(1)。
その前が金管楽器、左がホルン(4)右がトランペット(たぶん4)
次は木管楽器、中央に寄り添う形で、左からクラリネットファゴット、その前にフルート、オーボエの典型的な配置。

その前が弦楽器群ですね。左後方からコントラバス、チェロ、第1ヴァイオリン、右後方からヴィオラ、第2ヴァイオリンじゃないかと思います。

弦、木管金管が、それぞれ、まとまって聞こえるような配置なのでしょうか?
低弦はこの曲では、最初と最後に大変重要な役割をもってると思います。低弦の位置が左と言うのが、何か意味があるような気がしました。

演奏が始まりました。とても丁寧に静かに低音が鳴り始めます。指揮者がこの部分に大変
気持ちをこめているのが伝わってきます。
音が控えめ、物足りないかな、、と思っていましたら、途中からクレッシェンドして、がんがん盛り上がっていきます。金管や低音がばりばりと響いてきます。
ば~んと上りきったところで金管が音をはずしたような気もしましたが、たぶん気のせいでしょう、そんなこと全然気になりません。

2楽章、なめらかに美しく歌いあげていました。この曲が5拍子ということを思うと不思議な気がするのですが、、、

3楽章 とても楽しく聞けました。はじめの方は軽くスキップする感じで、最後にはしっかりと力強く行進する感じで、その変化が素晴らしかったです。隅々まで繊細な配慮がなされているのを感じました。やっぱり、全然違います、去年とは。

そして、終楽章、すすり泣くような弦の切ない響き、ホールが大きいからか、席がよくないからか、弦の音をもう近くに感じられなくて残念な気がしました。もっと生っぽい弦の音色を聞きたかったです。低弦はよく鳴っていましたが。
また、トランペットの音がまっすぐに飛んでくる席の位置なのでしょうか、トランペットの音がやたらに聞こえて、ちょっと飛び出して聞こえるくらいでした。
でも、まあ、聞こえないよりは聞こえすぎるくらいの方がましかもしれません。
曲は1楽章のときと同じように、抑え目の演奏から、ぐんぐんクライマックスへ向けて盛り上がっていきます。ぞくぞく、どきどきしました。素晴らしかったです。
やっぱり、指揮者で曲がずいぶん変わるものですね。

えらそうにいろいろ書きましたが、今回はいい演奏を聴けてよかったです。
リベンジ成功です。

次は、オペラ「トスカ」を聴きに、観に行きます。今年の最後ですね。
来年は、3日のニューイヤーオペラコンサートを聴きにいきます。これはいい席を取っていただいたので楽しみです。