ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

LFJ日記~3日目

さぁ、最終日です。
この日は昼ごろから会場に入り、まずホールAでベルリオーズの「幻想交響曲」を聴きました。
この曲、実は3年前にもLFJで聞いて、記事も書いています。
 
 
でも、この時とは今回は演奏者が違います。小泉和裕指揮の都響です。
実はLFJで何度か聞いてる曲があります。それは、モツレクとこの幻想です。
なんでって思いますけど、モツレクは演奏者のコルボさんが好きだkら。
幻想は、、う~~ん、意外とこの曲普段の演奏会で見かけない、好きなんだけどね。
ということで、見かけたら聴きに行きたい曲なのです。
 
LFJでは、比較的小さめの会場で室内楽や器楽曲を聴けるのが楽しみなのですが、
それがかなわなかったときは、大きな規模のオケ曲を聴いてみたくなります。
こてこてのオケ曲を聴きたいと思うのです。
なので、今回も幻想交響曲を聴きましたが、都響の演奏結構よかったです。
前回は、やはりこの大きなホールの1回のやや前の方で聞きましたが、今回は2階の一番前で聞きました。
2階の一番前の真ん中あたりです。オケ全体がとってもよく見えます。オペラグラスはオペラではないし、横のスクリーンでソリストなど大きく映るので持ってきませんでした。
 
さあ、このよく見える席で、音楽が始まりました。
プログラムにありましたが、このロマン派の曲は意外と古いのです、ベートーヴェンの第九のわずか6年後に作曲されているのですね。当時としてはどれほど新しい感覚だったか想像に難くないですね、、第九の編成が当時としては大きな編成で、それをさらに上回る編成です。
第九では、4本のホルン、トロンボーンコントラファゴットなどの中低音管楽器の充実、バスドラム、トライアングル、シンバルなどの打楽器、がそれまでより大きな規模の交響曲にしているのだけれど、幻想では、それに加えて2本のオフィクレイド(中低音金管楽器、チューバで代用されることが多い)、ティンパニ4つ(第九では1?)、打楽器には大小太鼓、シンバルに鐘が2つ、ハープが4台(実際は2台のことが多いらしいですが、今回も前回もそうだったと思います)配置されます。規模が大きいだけでなく、弦のコルレーニョ奏法や舞台裏での奏法を交響曲に取り入れ、幻想的な物語を標題音楽として表現していることでセンセーショナルな曲であったろうと思われます。
マチュアの音楽ファンの私としては、今でもこの曲は他の交響曲とは一線を画していると思うのですが、いかがでしょう。
 
1楽章 夢と情熱 
静かに始まりました、やがてざわめき、気持ちが高揚してきます、弦が駆け巡り金管がうなります。
音は気持ちと一緒に上へと上がって着ています、この席で良かった、とても響きがいいと思っていたら、低音がいやに響く、ちょっと不自然、、もしかしてステージからではなくこの座席の下あたりから響いてきてない?
あ~そうかも、下のスピーカーから聞こえてくるのかもしれない。2階とはいえ1番前なので音が上がってきているのかもしれない、、そう思うと夢から覚めそうに、、いやいや聞くことに集中しよう、、
 
2楽章 舞踏会
ハープと幻想的な旋律が流れた後、優雅な3拍子の舞踏会の音楽が始まりました。幻想交響曲の中で一番明るくて華やぐ曲ですよね。相変わらず低音が強い、、ピチカートが聞こえづらい、、
 
3楽章 野の風景
華やかな2楽章から一転して、静かな野の風景、コールアングレがきれい、オーボエとの対話が楽しいのですが。。オーボエは聞こえるのにオーボエ奏者が見当たらない、なんで?
後でわかったのだけど、というか今まで知らなかったのだけど、オーボエは舞台袖で演奏するのですね。
でも、今回、オーボエの音はかなり大きかったので、袖にいるとは思わなかったのです。舞台そでで演奏してもこの大きなホールでは聞こえないからマイクを通してスピーカーで流してたとしたら、袖に引っ込んだ意味ないじゃん。。。。
 
4楽章 断頭台への行進
始まって少し経ったところで金管がファンファーレのように響くところがあります。とってもかっこいいところなのですが、ちょっと期待しすぎたせいか金管の歯切れがあまりよくないように聞こえました。なんでかな?音響的問題?
演奏は素晴らしく、細かいところまで行き届いていて、大きな編成であるのにタテのラインがとっても気持ちがよいほどそろっているのです。
 
5楽章 ワルプルギスの夜の夢
この交響曲は5楽章あります。ベートーヴェン標題音楽交響曲といえる第6番の交響曲の「田園」も5楽章ありますね。標題音楽だと5楽章ないと完結できないのでしょうか?ただの偶然でしょうか?
この5楽章の主題に、グレゴリオ聖歌の「ディエズ・イラ」が用いられていることはよく知られています。
もう、大騒ぎ、なのですね、、鐘が鳴ります、あれ、、鐘がいない、これも舞台そで?
不気味なメロディーが弦のコルレーニョ(弦を弓の棒側で叩く?)奏法で現れます。この弦の音、この曲を初めて聞いた時とても不気味に聞こえました。どんなふうに演奏してるのだろうと思いました。
最後はいろんなメロディが混沌として賑々しく盛大にに終わります。
 
とても良い演奏でした、ロマンティックに流され過ぎることもなく、きっちりと、でも多彩でメリハリのある演奏でした。小泉さんと都響、いいですね。また、聞きに行きたいと思いました。
 
 
 
昼ご飯をさっさと食べなくちゃ、演奏後、ふらふら歩きながら思いました。
でも、どこも混んでる。
帝国ホテルのパンでも食べるかな、、コーヒー付きで。
クロックムッシュパン・オ・ショコラとカフェオレを頼みました。屋台ほどは並んでないのでここにしました。
ちょっとお高いですけどね。でも、それだけのことはあります。パンは温めてあり、美味しいです。コーヒーもそこらのよりちょっとおいしいと思いました。
食べてると、一昨日聞いたメロディが、、カリヨンだ、そしてファランドールアルルの女組曲ですね。
地下の展示ホールでは、サービスプログラムが提供されています。ですから食べながら優雅に生演奏を聴けるのです、これって本当に贅沢ですよね。
 
 
 
次の公演まであと10分、急がなくちゃ。1時間間があったはずなのだけど、トイレに並んで、食事買うのに並んで、食べる場所探して、あっという間に1時間がたってしまいます。
次はホールC、これが今回の一番のお目当てかもしれません。パスカル・ロフェ指揮のフランス国立ロワール管弦楽団の演奏でドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、「海」それにラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」です。
この楽団はLFJ本家のナントを拠点とする楽団です。フランス物はやはりフランスの楽団で聞きたいと思ったのでした。
席はやはり2階を選びました。2階の今度は一番前でもありませんが、よく見えます。
お隣のおじさまは少し酔っていてご機嫌で饒舌でした。ワインを飲まれたようで、その後、こうして素敵な音楽が聴けるのは最高に幸せみたいなことをお連れの方に言ってらっしゃいました。まあ、そうでしょうね、、
 
 
最初の演目は、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲
午後が始まったところですから、いや、もう2時だ、、だいぶ経ってる、まあでも、時間帯はぴったりかもしれない、、だけど、午後への前奏曲ってよく意味が分かりません、、いつもこのタイトルを聞くとき思うのですが。
曲は大変静かにゆっくり目に始まりました。ロフェさんは慎重に曲を進めていきます。管楽器のソロがきれい、弦の音がとても立って聞こえる。それは2階で聞いてるせい?
今まで聞いた「牧神」のなかで一番優雅だったと思います。やはり本場ものなんでしょうか。
 
次はラヴェルの「優雅で感傷的なワルツ」
これは、聞いたことはあるのですが、実はこんなにたくさんあるなんて知りませんでした。8曲あるのですね。
隣のおじ様は、暗がりの中、スコアを広げてみていました。
1つずつ、ロフェさんとロワール管弦楽団は丁寧に演奏していきます。とても優雅なワルツです。
でもね、ごめん、後半少し飽きてきました。それと、早く「海」を演奏してくれないかなと思い始めていました。
この演奏会は3時までですが、実は3時からボランティアのシフトに入っているのです。募集の後にシフト時間が変更されて、きちんと間に合うはずだったのですが、少し遅れていく羽目になってしまったのです。
もちろんそのことは届けてあるのですが、なるべく早く行きたいのです。
 
2時50分にラヴェルが終わり、―のドビュッシーの「海」が始まりました。
これが一番聞きたかった曲です。でも、20分くらいはかかる曲です。この分だと3時を優に10分は超えて終わることになるでしょう。15分遅れで駆けつけても20分ころかな、、
そんなことを考えてると、気もそぞろでした。
でも~やっぱり、素敵な演奏でした。
 
1 海の夜明けから真昼まで
たっぷりとした流れの海のように、音楽もゆったりと流れ、管楽器の音がふんわりやわらか、弦の音色も繊細です。フランスの粋、というのでしょうか?さりげなく細部まで神経が行き届き、素敵!最初に音が立体的だと感じましたが、編成がやや大きくなった「海」で更にその感を強くしました。音にふわっとした厚みを感じるのです。
2 波の戯れ
リズミカルで遊びがあり、楽しいです。
プログラムの解説欄に、「パスカル・ロフェが、フランス国立ロワール管弦楽団の香り高い音を操り、鮮明に情景を描写する」とありましたが、まさに、その通りの演奏ですね。
3 風と波の対話
これも標題音楽ドビュッシーのそして印象派の代表作、初版に表紙には北斎の浮世絵が使われたことも有名ですね。海原の様子、波の様子が目に浮かびます。
少し前の記事でもこの曲を紹介しました。
二番煎じで申し訳ないですが、もう一度、同じものを掲載します。