ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

ラファエロのマドンナ

明日までの「ラファエロ展」、明日だともっと混むだろうと思って、今日の午後行ってきました。
 
3月に身内のMちゃんから行ってきたという話を聞いたときは、忙しかったので上の空でしたが、、、
 
今、ちょっと心にゆとりが出来て、見に行ってきました。
 
緑が目に染みる上野の森を抜けて行きました。
 
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ラファエロは、優雅で上品で、そして美しいです。
 
自画像やマドンナの絵など、ラファエロの代表作を見るのを楽しみにしていきました。
 
まあ、予想はしてましたが、40分待ちという混雑ぶり、、見ていた時間と同じくらいでしょうか、、
 
でも、待ってる時間のほうが長く感じますね。
 
 
 
イタリア・ルネサンス期のラファエロの絵画は、イタリアへ行ったときにフィレンツェのウフィツィや
 
ヴァチカンの美術館で見ました。大変感動しました。教科書でしたか見れなかった絵に出会えて、、w
 
中でも、ラファエロの「アテナイの学堂」、これは大きな壁画で、ヴァチカンのラファエロの署名の間にありました。
 
壁画ですから、今回の展覧会にはもちろん来ていませんが、その原画を版画にしたものが展示されていました。
 
この絵の中には、古代のギリシアの哲学者らの姿が描かれていますが、面白いのは、
 
 
右端の方にラファエロ自身が描かれてることですね。
 
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ラファエロ自身の絵と言えば、自画像が2枚ありました。
 
1つはよく知られてる若き日のラファエロ、もう一つは友人と一緒の自画像(こちらは髭があり晩年でしょうか)
 
どちらも優しい、ちょっと女性的とも見える端正な顔立ちが印象的で、女性に大変もてたというのも頷けます。
 
でもこの顔立ち、彼の絵の特徴と言えば特徴ですよね、品のある優しくて美しい顔の聖母像とか。
 
このラファエロの描く聖母の表情、とても日本人に親しめるのは、もしかして仏像に似てないかな?
 
ふと、ラファエロが若いころに一緒に仕事をしてたピントリッキオの聖母子像を見て思いました。
 
今回、展覧会で見た絵とは違いますが、大体はこんな感じです。もっと眉が弥勒菩薩かな、、
 
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細く弧を描く眉の形や穏やかなまなざし、まるで弥勒菩薩のよう、気高く優しく見る者の心を包んでくれます。
 
ラファエロのマドンナは、ミッション系の学校で親しんでいた聖句カードによく描いてありました。
 
ラファエロの絵であることは知らずに持っていて、高校生くらいになってやっとラファエロであることを知り
 
それからずっとラファエロのファンになりました。
 
その聖句カードで使われていたのは、ひわのマドンナ、ベルヴェデーレのマドンナ、
 
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そしてシスティナのマドンナ、椅子のマドンナ、、でもこれは、少し顔立ちがきりりとして現世的です。
 
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さて、今回の展覧会の目玉の「大公のマドンナ」ですが、これは先ほどの御仏っぽい表情のマドンナですね、
 
けれども、背景が真っ黒で、他のマドンナのように牧歌風景が背景ではありません。
 
どうやら初めのうちは背景が描かれていたのが、剥離がひどくなって黒に塗られたとか、、
 
写真は、図録の表紙、今回は大小2サイズの図録を売っていましたので、小さいのを買いました。
 
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 今回の展覧会の絵の中で、マドンナはもう一つ、「聖家族と子羊」の中にも描かれています。
 
こちらは、父のヨセフが入り、幼子イエスが生贄の象徴である子羊にまたがっています。
 
このマドンナも優しいそして、幼子の将来を案じてか、物憂い表情です。
 
ヨセフっておじいちゃんじゃん。。。絵を見てるとき周りで若い子の声がしました。
 
まぁ、たしかに、聖母は若く、父ヨセフは子どもの祖父くらいの年齢、、ですね。。。
 
 
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 さて、さて、マドンナを中心に書いてきましたが、他にも素敵な絵がありました。
 
女性の肖像画では服装の細部にわたってきれいに描かれ、当時の服飾の様子が伺えます。
 
「無口な女」は、当時の裕福な人々の流行だったであろう衣装を着けています。
 
この衣装を見て、ふと10年ほど前に横浜美術館で見た、ダヴィンチの「白テンを抱く黄婦人」や
 
やはり同じころ、藝大のウィーン美術史美術館展で見た、デューラーの「ヴェネチアの女」など
 
同時代の絵を思い出しました。衣装が似ています。
 
でも、ラファエロが一番美しく描いていますね。左から、ラファエロダヴィンチ、デューラー
 
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