ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

第九のCD~ショルティ/シカゴ♪

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自分の演奏会が終ってから、じっくりとショルティ/シカゴの演奏を聞いてみました。
第九を歌い始めたころに買った古いCDです。
録音はさらに古く、1972年の5月と言う事ですから、亡くなる25年も前ちょうど60才頃ですがが、よく見るショルティの写真より老けて見えませんか?写真だけ新しいのでしょうか?
わかりませんが、この写真からは、いつもの金管バリバリのメリハリのある演奏を想像しにくいです。
ジャケットの印象って意外と大事かもしれないですね。

演奏は、ショルティ/シカゴらしい演奏です。
1楽章もわかりやすいですし、2楽章の速さや歯切れの良さは私の好みです。
3楽章って、きれいなメロディでとても美しく歌うところなのですが、指揮者によってかなり解釈が異なりますよね。毎年の演奏会でも、それぞれの指揮者によってずいぶん違うなと感じています。
去年はやや遅め、今年はやや速め、遅いのは立ってるのが疲れるので速い方がいいなと思ったりしましたが、このショルティ、久しぶりに聞いて3楽章が意外と遅いのに、あらこんな風だったかしら、と。。
が、、大変美しくメリハリを付けて歌いあげてくれます。シカゴっていうと、金管がよく鳴るオーケストラと言うイメージですが、この曲では、弦もとても美しいです。しなやかで流麗です。細やかでとても丁寧です。が、キッパリとした音でピシッと決めるところもあり、その対比がゆっくりした流れの曲を引き締めています。
3楽章のこだわりについては、また別のところで詳しく話したいと思います。
4楽章も、実に堂々として、素晴らしいです。金管が心地よく鳴り響きます。ソリストも合唱もオケに引けを取りません。男声合唱の盛り上げ方も感動的ですね。


よく聞くと素晴らしい名演奏であることに、あらためて気づかされました。
このCDを買ったときは、とりあえず第九を歌うに当たって、有名どころの指揮者、オーケストラの演奏を聴きたいという気持で、特に誰の演奏がよいなど思わなかったので
「何でショルティを?」と聞かれて
「とりあえず目に付いたから」と答えたと思うのです。(ブログでもそんなやり取りがあったと思います)
カラヤンとか他のCDを買えばよかったと思ったときもありました。勿論、買う事もできましたが、1つの曲につき1枚のCDしか買わない主義を通していましたので、他のは買わないでこればかり聞いていました。
全体の速度とか、表現(盛り上げ方とか、テンポ変化)については、このCDが私の第九のスタンダートになってしまっていたにもかかわらず、この演奏がどういう特色を持つものかなど考えもしていませんでした。
こと3楽章における曲想作りについては、今頃、そうだったのかと気づいて、素晴らしい演奏だと見なおしてるところです。一体これまで何を聞いてきたのでしょうね。
読書で言うと、字面だけ追って中身を吸収してないのと同じですね。

この記事を書くのに、ショルティの生年と没年を調べていて、彼が若い頃はオペラの練習用ピアニストをしていたことを知りました。
指揮者を目指して音楽を学び、18歳からオペラの歌手の練習用ピアニストとして下積みを経験、歌劇場の音楽監督としての経歴が長いんですね。
楽器が一つ一つくっきりとよく鳴らされてるのは、一人一人の歌手によく歌わせていたから?
華やかにオーケストラ全体が鳴るのは、オペラの華やかさにも似てる?
コーラスとオケのバランスもとてもよいのは、やはり歌劇場仕込み?
などなど、思ってしまいました。

あらためて名演奏と感じる事のできたこのCD、もっと聞き込んでいこうと思います。