ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

LFJ~コンチェルト編

たくさんの音楽を聞いて、たくさんメモを残したのはよいのですが、後でそれを整理していくのが大変面倒になりました。が、ここはちょっと頑張って書きます。

コンチェルト、バロック時代ですから、コンチェルトグロッソ(合奏協奏曲)の形のものが多いですよね。シンフォニーの形はありませんから、オケ曲(といってもバロック時代ですから小編成ですが)はコンチェルトしかありません。
ということで、今回聞いたオケ曲を並べてみます。
中には同じ曲や、同じもので演奏楽器が違うもの、編成が違うもの、もありました。


ル・コンセール・フランセ/バッハ:管弦楽組曲1番、2番

初日の最初に聞いた演奏です。ホールCでもバロックアンザンブルには広すぎる気がしました。
席は3F3列目ですが、1列目がないので2列目みたいなものです、はじっこで見やすかったのですが、やっぱり3階は遠い、、、ル・コンセール・フランセの演奏は、もっと小さな場所向きでした。
繊細なフランス風バロックの演奏、というのでしょうか、熱くなることはなく、さりげなくておしゃれな感じです。重々しさがなく軽快で、優雅です。
特に最初の1番はあまり聞いたこともないので、バッハらしくない感じもしました。
フランスの、たとえばラモーとかの作品だって言われたら、そうなんだと思ったでしょう。
2番はよく聞いたことがあり、全曲さわりを制作した事があるだけに、とても興味深く聞きました。
全体的に軽快で、序曲は特に速めだった気がします。
フラウト・トラヴェルソ(フルートの前身みたいなもの)の音色がとても柔らかくてきれいです。
軽くて美しくて柔らかい羽根のような音楽という印象でした。
でも切れはよく、軽く跳ねたところもあり、おしゃれで粋な切れのよさでした。
フランス人の演奏家のバッハってこういうのもあるのね、と妙に納得しました。


東京都交響楽団小泉和裕ヘンデルの合奏協奏曲(オールヘンデルプログラム)

ホールA です、でっかいです。が、演奏の規模も大きいです。普通の現代編成のオーケストラです。
1Fの11列目というとこの大ホールでは前の方なのですね。でも、床がフラットなのでステージの上はよく見えません。多分、Vn12ずつ、Va8―10、Vc8くらい、Cb6、Hrn4、Tp2、Fg2,Fl2,Ob2,Cl2 それにチェンバロかな。バッハよりも派手なヘンデルの曲は大きなオケで演奏するとゴージャスさがいっそう出てよいかもしれません。
メサイア」よりストコフスキー編曲の「パストラル」、分厚い弦の響きはほっと落ち着けます。
いいですね。合奏協奏曲ロ短調Op6-12、こちらもドラマティックでゴ^ジャスナ響きが似合う曲。
ソロヴァイオリンはコンマス氏、バロック音楽だったのだと、ふと思い出す。
終止のユニゾンが分厚くて素敵です。 また、ピアノとフォルテの大編成オケならではのダイナミズムがあって、より音楽をドラマティックにしていますね。
最後にハーティ編曲の「水上の音楽」。この曲は言うまでもなく、ドイツのハノーヴァーからやってきた英語を話さない英国王ジョージ1世のテムズ川での舟遊びの際に作曲されたものですね。王侯のための音楽は華やかできらびやか、優雅ですね。大きなオケの方がやはり似合います。ティンパニも加わってこれまでの曲よりも華やかさを増しています。

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★香港シンフォニエッタ/イプ・ウィンシー:ブランデンブルグ協奏曲3番、VnとObの協奏曲ほか、

ホールは鬼門のB7,今回はやっと前半分くらいのところまで来れました。少し右寄りではありましたが、だからと言って右側の低音楽器が響きすぎるという事もないと思います。バランスが悪い、かもしれません。そして、時々不ぞろいなところも。。
こういう西洋音楽の演奏はやはり西欧人によるものが優れているだろう、というのは偏見かなと思って、いろんな国籍の演奏を聞こうと思いました。
でも、やはり基礎の違い、伝統の違いというのはあるのでしょうね。ソリストもそれぞれ素晴らしいと思って取ったチケットなのですが、これは申し訳ないけれど、あまりよい演奏とは思えませんでした。
唯一取れたブランデンブルグでしたし、オーボエとヴァイオリンの協奏曲も聞きたかったので、結構期待もありました。
確かにソリストは上手いです、でもテクニック的に上手いところしか今回の演奏では見出せず、もったいない気がしました。 
さて、ブランデンブルグの2楽章、音が2つしかないところですね。チェンバロカデンツァはどんな風だろうとちょっと期待。でも。。。上手くない、というか、この聞かせどころをどうして活かさないのかナとか、思ってしまいました。3楽章、1楽章同様元気に始まったものの、終わり方がイマイチ、、、
終止の形に入るときがどうもすっきりしないのです。終るんだか続くんだかはっきりしません。中途半端な感じでもやもやしてしまいます。私だけが感じたのでしょうか、、ね。
期待のオーボエとヴァイオリンの協奏曲、2楽章はオーボエソロに聞きほれはしましたが、他の楽章ではブランデンブルグよりもオケの規模を大きくしかえってバランスを崩してしまった気がします。ヴァイオリンソロも素晴らしかっただけに残念。
最後に、管弦楽組曲の2番でした。が、こちらも、フルート上手いのに印象が薄く、オケはメリハリに欠け、相変わらず終わり方にしまりがない、と言う印象でした。ル・コンセールの同じ曲のそつのない演奏を聞いた後でしたから、なおさら強く感じたのかもしれません。


シンフォニアヴァルソヴィア/カントロフ  チェンバロ(ピアノ)協奏曲2つほか

こちらは、ホールAの演奏です。2階のそれも後ろの方でしたが、2階はかなり勾配があるので、後ろの方でもステージはよく見えます。まあ、ここはステージの両側にスクリーンが設置してあるので、ソリストなどの顔もよく見ることが出来るのですけれどね。それをオペラグラスで見るともっと大きく見える!
独奏者はボリス・ベレゾフスキとブリジット・エンゲラー。
オーケストラは、Cb2,Vc3,Va4,Vn5,Vn6くらい、室内楽の編成ですね。二階の奥まで音が鮮明に聞こえるのは、スピーカーのおかげなのでしょうね。あたかもステージ中央から響いてるように聞こえます。
コンチェルトの1番のソロはエンゲラー、自分で譜めくりしながらの演奏、とても落ち着いていてよい演奏です。オケとの息もよくあっています。
5番はベレソフスキ、彼は譜めくりを置いています。こちらも落ち着いた演奏。ピアニストだけが目立つ事もなく、オケと一体になった演奏ですね。大きな手で鍵盤の上を撫でるように細かい音を転がして弾きます。2楽章のよく知られたメロディのところも、とてもバランスがよい、(ミキシングがよいのか?)
広大な会場が静寂に包まれ、美しく響くこの曲に何千もの人が一心に耳を傾けているのかと思うと、ちょっと感動。
ヴァルソヴィア(ポーランド出身らしい)の演奏も素晴らしいです。終止もとてもすっきりしています。
最後の2台のピアノのための協奏曲、これは、オーボエとヴァイオリンの協奏曲と同じもの、なのですね。聞き比べると面白いと思いました。が、シンフォニエッタの方の演奏が今ひとつでしたので、こちらの方がずっとよい演奏と思いました。実際によい演奏でしたし。
残念ながらオーボエとヴァイオリンの方は、バランスがよくなくてソロ楽器がよく聞こえなかったところもありました。こちらは2台のピアノですから、大変豪華にソロ部分が展開されていきました。また、安心して聞ける、みたいな所もありました。ソロのピアノ同士の掛け合いのところは、対話してるようで素敵でした。
聴衆は惜しみない拍手を送っていました。