ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

プッチーニ「トスカ」~♪

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ローマのサンタ・アンジェロ城は、お墓、牢獄、秘密の避難トンネルとしても使われた古いお城です。ペスト疫病から街を救った「聖天使」という意味の城は、123年頃にハドリアヌス帝によって、彼自身と家族のためのお墓として建てられたそうです。
ローマに旅した折に、チラッとバスの窓から観光しました。使い捨てカメラで取ったバスの中からの写真はぼけまくりですが、てっぺんに天使らしきものが付いているのが見えるでしょうか?
ローマは見るところがたくさんあったので、ここはチラ見だけで過ごしたのですが、あとでちゃんと見に行けばよかったと後悔。。。

このお城があの「トスカ」の舞台になってるのですね。
恋人、カバラドッシが目の前で撃たれ、自らも塔の上から身を投げて死ぬ、なんとも痛ましい悲劇のおこる第3幕の舞台です。


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12月8日、ジョン・レノンの命日の日にオーチャード・ホールへ、レニングラード国立歌劇場オペラの「トスカ」を見に行ってきました。
トスカの恋人カバラドッシとジョン・レノンとの共通点があることを発見。それは何の罪も犯してないのに、愛する人の目前で撃たれて死ぬ、ということです。


開演時間と開場時間を間違えて、遅れそうになって、走って開演15分前につき、温かい飲み物を飲んで落ち着いてから席へ。。。
覚悟はしてたけど(笑)、まさに天上桟敷、、、3階の一番上の端っこから2番目、立つと天井に手が届きます、背の高い人なら。去年の12月はこの反対側のほうで「フィガロ」を見たんだっけ、、でもこんな端っこじゃなかった。

隣は、中年のおじさまと20代のきれいなお嬢さんのカップル、会話から親子ではない、会社の上下関係?このおじ様のひじが時々当たるのが気に食わない。そりゃね大柄な男性には窮屈かもしれませんが、でも、なんでこんなに肘が当たるの?チラッとよく見たら(笑)、体が半分お嬢さんのほうに向いてるのね。だから、肘や腕がこちらに余計に向いてるんです。も一回チラッとよく見たら、反対側の手を不自然にもぞもぞやってる、あ、手の中にもうひとつの手が、手でいちゃいちゃしてました(≧▽≦)こりゃ、不倫だわ・・・
大体、何でお金ありそうな紳士が女性を連れてこんな席に来るのよ、、もっといい席で見ればいいでしょ、、ここしかあいてなかった?そうかな~?一番よい席と一番安い席って早く売り切れちゃうのよ、、
わざわざ、ここを選んだんでしょうね、人目に付かないと思って。うぷぷ・・・

人のことはどうでもいい、オペラに集中。
悲劇の主人公の恋人カバラドッシ、マイミクで時々こちらにもコメントくださってるゾロさんの言う「河馬どっしり」体型だったのに、ちょっとがっかり、、でも、声はとてもよく(もうちょっとつやが欲しいですけど)、歌もよかったです。
そして、登場したトスカ、しょっぱなから嫉妬心を顕わにするのは、嫌な女の印象を与えるけれど、話が進むに連れ、彼女が天真爛漫な心の持ち主と分かってくるにつれ、最初の印象は薄らいできました。
トスカ役の歌手は、胸のとても大きな人であまり初々しいという感じではありませんでしたが、声はつややかで伸びやかで、歌い方もとてもきれいで自然でした。
憎まれ役のスカルピア、トスカに横恋慕して、カバラドッシを政治犯を逃がした罪で捕らえようとします。この人もなかなか演技も達者、歌も上手いです。
恋人が助かるかどうかはトスカ次第だと、露骨に言い寄ります、彼女が出て行くのを見て、彼女を追うように部下に手配をする彼のソロのところから、テ・デウムの大合唱へと盛り上がっていくところは、聞き所ですね。この部分のMIDIを作って欲しいと件のゾロ氏から依頼を受けたことがあったのを思い出しました。結局未完に終わってしまって、、ごめんなさ~い
でもね、ゾロさんが、この部分が好きだといったのが、舞台でこのシーンを見てわかる気がしました。
そして、スカルピアファンだということも。
意外とスカルピアファンはいますね。まあ、殺されてしまうからかわいそうという同情もあるのでしょうけど。スカルピアこそ仕事の出来る男、軟弱な絵描きのカバラドッシなんて草食系男子もいいとこ、、と思ってる人もあるようです。

2幕のトスカの熱唱「歌に生き、恋に生き」や、3幕のカバラドッシの熱唱「星も光ぬ」は、もうとてもすばらしくて、拍手拍手の嵐でした。本当によかったですよ~見に来てよかった~と思いました。

隣のご様子はというと、1幕が終わって、隣でオペラグラス振り回すやつもいたし、「オペラグラス貸し出してます、ご利用ください~」見たいな案内も流れるので、オペラグラスを借りてきた模様、しかし、すぐに飽いて「腕が疲れる」とか言っていました。夢中で見てたら、疲れるとか思わないんだけどねぇ、、
次の休憩では、彼女の差し出す飴を嬉しそうになめていましたが、その音がちょっと、、、
口をあけてなめてるのか、飴がひっくり返るたびに「ぺちゃ、」いう音がします。
あらまぁ、彼女の前であんまりじゃない?恥ずかしく思われてるわよ、、やめなよ~オペラももう始まってるんだし、、と思ってると、そのうち、がりがりとかんでいる様子。。


さあ、3幕の悲劇のシーンが終わると何度も何度もカーテンコール、面白かった~惜しみなく拍手を送りました。
トスカがやきもち焼きの恋人から、彼のために人殺しまでいとわない、強い女になっていくのには、何と言うか一種の凄みを感じます。それだけ強い絆で結ばれていたのでしょう。
ここまで恋人を思えるのは羨ましくもあります。
冷静で相手のことや周りに気を使ってる女は、もしかしたら恋愛上手ではないかもしれませんね。
社会生活していくうえでは、気配りというのはとても大切なのですが、恋愛においてはちょっと違うようです。心当たりありません?
自分の気持を相手に体当たりでぶつけていく、そんなわがままな情熱のある女性のほうが男性の目にはいとしいのかもしれませんね。私には出来ないことです。^^あ、私は気配りのきく人でもないです。。。