ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

ストラヴィンスキー「火の鳥」(1919年版)

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昨日は、雨が降ったり止んだりの中、オペラシティへ行ってまいりました。
ふつ~の日のコンサートに1週間も空かずに2度もいけるというのは、大変幸せなことです。
今月は、もう一度コンサートに行くチャンスがあります。何て幸せなのでしょうね。

昨日は、マイクロソフトの冠が付いた、N響プレミアムコンサート~音楽の窓辺~と言う演奏会でした。
テーマは「鳥」、なんだそうですが、


メシアン:「異国の鳥たち」~ピアノとオーケストラのための(1956)

モーツァルト:「フルート協奏曲 第2番ニ長調K314」
1楽章 アレグロ・アペルト
2楽章 アンダンテ・マ・ノン・トロッポ
3楽章 アレグロ

~休憩~

ラヴェル組曲マ・メール・ロワ
1眠りの森の美女のパヴァーヌ
2一寸法師
3パゴダの女王レドロネット
4美女と野獣の対話
5妖精の園

ストラヴィンスキ:バレエ組曲火の鳥」(1919年版)
1序奏
2火の鳥の踊り
3火の鳥のヴァリアシオン
4王女達の踊り
5カスチェイ王の魔の踊り
6こもり歌
7終曲

と言うプログラムを

指揮:下野竜也
ピアノ:永野英樹
フルート:神田寛明

で、聞きました。

マイク*ソフトのアンケートが鉛筆(よくあるメモ用のちっちゃいの)と一緒にプログラムについていました。アンケートは演奏会については「本日の公演の満足度について」の1項目だけでしたので、申し訳ないですけど、演奏会についてのメモ用に使わせて頂きました。そういう意味ではマイク*ソフトさんの気遣いに感謝しています。(^^ゞ

このチケットは、演目が気にいったのでとりあえず、よほどよい席出なければ、どこでも同じだろうと思ってチケットをとったのですが、、
やっぱりここでは席は考えた方がよいと、思いました。
オペラシティのホールって、前々からこの長方形の形に疑問を持ってたのだけど、この形の両サイドの席って、どうなんだろう、と。
やっぱりよくないですね。ステージに向かって左の3階席だったので仕方ないと言えば仕方ないかもしれませんが、それにしてもステージの4割が見えない、死角になってるのには、がっかりですね。6割見えるというのは前に身を乗り出して、のことできちんと深く座ると3割見えるかどうか。。これじゃ、オペラグラスがあっても役に立たないな、、と思いました。
音響はとてもよいので、オペラじゃないんだし、いいじゃないかと思ったりもしますけど、
最初の曲で、ピアニストはおろかピアノ自体も見えない、音だけ聞こえてくると言うのは、なんか違和感があります。
指揮台は見えるんですが、指揮者が入ってきても見えないものだから、ふと見ると、正面にいる右側席の人たちは一生懸命拍手してるのに対し、左側席の人は指揮者が台に立つまで拍手してませんでしたね、見えないものに拍手はできない?のね。。



メシアンは小編成のオケ、弦楽器はないっぽい、金管とパーカスの音が目立ちます。指揮者は機械的な動きで振っています。ピアノの音はちょっと金属的。銅鑼が派手に鳴る、銅鑼を真ん中において両側から連打してるのが見えます。
色とりどりの南国の鳥たちが行き交う様を表してるのだろうか、、
あ、何かが光った、あ、また光った、、誰かフラッシュつけて写真を撮ってるのか?ふとホールの高い天井を見上げると、そこには大きな窓ガラスがあり、外は暗いけれどガラスの上を水が流れてるのがわかる、雨が激しいんだ、あ、また光った、、あれは雷?
異国の鳥たちは、どうやら、スコールに見舞われたようでした。

始まってまもなく、ふと、となりで寝息が。。すぅ~すぅ~と結構な音です。
あらら、もう寝ちゃってる。まだ始まったばかりだよ。
お仕事帰りの中年のおじちゃま、お疲れなのかしら。始まる前は、チラシの袋を開けて一生懸命見てらしたようだけど。そうそう、今日は、チラシ袋、もらわないで通り過ぎました。
曲が終わると目が覚めたのか、拍手していました。ちゃんと聞こえてたのかな?



2曲目にはいる前に、椅子やなんかの並べ替え、、ここのホール、形も内装もきれいで木目の感じがとっても好きなんですけどね、ステージ上の緑のビニール張りの椅子がイヤです。ここだけは、ちょっとセンスがよくない気がします。違和感を感じるのは私だけでしょうか。

さて、今度はフルート奏者の登場です、モーツァルトのフルート協奏曲、あれ、、これってなんで「鳥」なの?と思うまもなく始まる。
この曲例のオーボエ協奏曲を転用したものですね。3月に身内がオーボエで全曲吹いたので、まだ旋律が耳によく残っていました。でも、やはりプロは上手いです。装飾音や速いパッセージも、軽々華麗に吹きこなしていきます。安定した演奏です、オケとの掛け合いもきれいです。
フルート奏者のフルートが黒っぽく見えるのは着ている服の黒が映ってるのだろうか、それとも元々黒いのだろうか、気になり始めたので、オペラグラスを取り出してみると、「黒」のフルートでした。
オペラグラスで演奏者の表情がよく見えたので、しばらく眺めていました。

曲が始まってまもなく、またも大きな寝息が。。
時折体を起こして、ステージを覗くポーズを取るのだけど、すぐにやめてまた深い寝息。。
また寝てるわ、とちょっと見ると、お、、寝息を立てているのに目が開いてる。ぎょっとして、すぐに目をそらしました。でもね、左側にいるから、ステージ方向を見てるとどうしても視野に入るのよね。。
2楽章、3楽章と続いて、曲が終わると、また起きて一生懸命に拍手してましたが、、、、

終演後の指揮者の話では、この曲の「鳥」たる所以は、指揮者とフルート奏者が「酉年」生まれと言うことらしい。。。


さて、休憩、ここは1階と2階のホワイエには飲み物のカウンターとかあるのですが、3階にはないですね。降りて行ってもよいのだけど、吹き抜けの上から見ると、人がいっぱいなのでやめました。


休憩後、さあ、後半です。ここからが、演奏者も聴衆も本腰入れてと言うところでしょうか。
あ、メシアンモーツァルトは、本気じゃない、ということではないですよ、楽しく優雅にかる~く聞ける、ということですね。オケのほうも編成も小さいですし、ね。
休憩の間にオルガンやハープが運ばれ、ピアノもオルガンの横に並ぶ。コントラバスコントラファゴットバスクラなどの低音楽器が増えています。ここから、いよいよオーケストラの本領発揮かな?
なんだか、わくわくしてきました。
あれ、並び方がチェロが真ん中なんだ、そして右側にビオラが並ぶ、よく見る並び方とは逆だな、、、曲によって楽器の並び方がかわるのでしょうか?それとも指揮者や演奏者の好み?どうなんでしょうね。

ラヴェルの「マ・メール・ロワ」、これは、英語で言うと「マザーグース」なのだそうですが、でも、お話はイギリスのものとは違うようです。フランスの童話(ペロー)ですね。
「眠りの森の美女」から始まって、他の3つのお話(「親指小僧」「緑の蛇」「美女と野獣」)が続き、最後はまた「眠りの森の美女」のフィナーレで終わる、そんな形ですね。
もともとはピアノ連弾の曲と聞いて、楽譜が欲しくなったぺんぎんです。
ラヴェルの優雅な旋律、弦のハーモニー、アングレやクラリネットなどの木管のメロディも美しいです。
演奏は引き締まっていて、メリハリもあり、最後のぐわぁ~~~と盛り上がるところも素晴らしく感動的でした。さすがN響だと思いました。

あ、、お隣さん、相変わらず寝たり起きたり、、いい曲をいい演奏でやってるから、起きて本気で聞きなよぉ。。お疲れなんでしょうか?
休憩時はそそくさとどこかへ言ったようですが、ちょっとお酒臭いので、飲んでいらしたのね、余計に眠くなったんじゃない?


さ~て、最後に、一番聞きたいと思っていたストラヴィンスキの「火の鳥」です。
バレエ音楽火の鳥」、はその公演の後に、演奏会用組曲として何度か編曲されていますね。
一番よく演奏されているのが1919年版ですね。1年半くらい前でしょうか?これをMIDIにしたことがありますが、それは、もう大変でした。。。規模の大きさ(それでも演奏会用のほうが小さいとか)もさることながら、音やリズムや、いろいろと難しいです。
金管楽器が後ろにずらっと増えました。トランペット、トロンボーン、そしてチューバ。
緊張感のある不気味な小さな低音から始まります。
耳をそばだてて、木管のメロディを聞く。。そこへ、カーンという音。パーカス?
1階の前の方で誰かが傘を落としたらしい。音響がいいので、ホール中に響いてしまいます。
1~3までは、切れ目無しに静かに、時に活発に演奏されます。4の王女達の踊りでは、木管が懐かしいようなメロディを奏でます。
そして、5つ目のカスチェイ王の魔の踊り、バン、と鳴ってあとはリズミカルに曲が進んでいく、低音が不気味に、金管が高らかに、、、この曲は、この「火の鳥」のなかで、一番アグレッシブで派手ですね。
トロンボーングリッサンドも出てきますし。バン、と鳴るたびに低音が座席の下から伝わってくるのが感じられました。MIDI制作したおかげで、特に後半はスコアが頭に入ってるので一緒に体も乗ってきてとても楽しみました。
この「カスチェイ」がホール中に響きわたり、低音が下から突き上げてくる時も、お隣の方はお舟の中のようでした。

しずかな子守歌、そして、平和の訪れを感じさせる終曲、最後も、大変盛り上がって、よい演奏でした。
聴衆は惜しみない拍手をいつまでもおくっていました。


アンコールがありました。レスピーギナイチンゲールです。
ここまでトリに鳥を持ってきて鳥にこだわったようです。
この曲、聞いていて、どこかで聞いたことがあると思いました。
元の曲は、リコーダーソロの曲ではないかと、うちへ帰ってみたら、ヴァン・エイク(17世紀前半に活躍)の楽譜がありました。笛の楽園(ハンス・マルティン・リンデ編)から「ナイチンゲールです。
CDもありました。レスピーギ組曲「鳥」のなかの4曲目。。でも聞いたことなかったですね。
これも、新しい発見と言うことで、収穫の1つかな。