ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

マイナーなオルガン曲3~おお、この世よ、汝を去らねばならない。。。

今週は風邪ひいたり、体が少し弱っていましたが、音楽のおかげで少し力が湧いてきました。

なので、1曲制作してみました。いつまで続けられるかわかりませんので、節操ないですが、

行き当たりばったりに、できるときは作って行きたいと思います。


さて、15世紀に神聖ローマ帝国の皇帝となったマクシミリアン1世という人が居ます。

武勇に優れ、政治的手腕もあり、経済的感覚もあり、ハプスブルグ家の血を婚姻により広めました。

後には、オーストリアハプスブルグ家とスペインハプスブルグ家がヨーロッパを支配します。

彼は、インスブルックに住み、デューラーを庇護し、楽団を同行させるなど芸術を愛好、

ウィーン少年合唱団の母体となる聖歌隊を創始しました。

フランドル楽派の、ジョスカン・デ・プレと同時代の作曲家、イザークは彼に仕えた音楽家です。

イザークインスブルックにて作曲または民謡を編曲したといわれるコラール、

インスブルックよさようなら(Innsbruck,ich muss dich lassen)」は、そののち、

バッハやブラームスがコラール「我なり、我こそ償いに(かな?)」(Ich bin's, ich sollte bussen)

や「おお、この世よ、汝を去らねばならない」(O Welt, ich muss dich lassen)に使用しています。


インスブルックよさようなら」の歌詞はこちら、

1. Innsbruck ich muss dich lassen, ich fahr dahin mein Strassen
in fremde Land dahin,
mein Freud ist mir genommen die ich nicht weiss bekommen
wo ich im Elend1 bin, wo ich im Elend bin

2番以下略


内容は、インスブルックよさようなら、懐かしいこの町を離れて、見知らぬ街へと旅立っていく。

私の喜びは消え、これkら行く地には不幸のみがあるだろう、、、、

インスブルックを去ったのは、マクシミリアンだったか、イザークだったか忘れましたが、

この歌について、皆川達夫さんの解説をラヂオで聞いた記憶があります。

とても、懐かしい気分の曲です。マクシミリアンゆかりのウィーン少年合唱団による演奏などあります。

男性コーラスでもきれいです。MIDIにしてみました。




和声進行が、ジョスカン・デ・プレの時代を思わせます。

この曲をもとに、のちに作られたコラールが、「おお、この世よ、汝を去らねばならない」ですが、

原語で見てわかるように、インスブルック(Innsbruck)が世界(Welt)に取り替えられただけです。

歌詞は次の通りです。

O Welt, ich muß dich lassen,
ich fahr dahin mein Straßen
ins ewig Vaterland.
Mein' Geist will ich aufgeben,
dazu mein' Leib und Leben,
legen in Gottes gnädig Hand

日本語に訳したものがないので、英語訳によると

O World, I must leave you,
I travel from here along my way
to the everlasting fatherland.
I will give up my spirit
so that my body and life
lie in God’s merciful hand


2行目のich fahr dahin mein Straßen は、まったく同じです。

私の道をそこから旅立たせる、、のような意味だと思います。

そこ、とは、インスブルックだったりこの世、だったりするのでしょうね。

インスブルックを去る悲しみを、この世を去る悲しみに取り換えてるのですね。

バッハはこのコラールをIch bin's, ich sollte bussenとして「マタイ受難曲」に用いています。

また、ブラームスはこのコラールにより、いくつかオルガン曲を作っています。

讃美歌にもあって、「草木も人も眠りに落ちて、、」という歌いだしで昔歌った記憶があります。

今日は、マイナーなオルガン曲ということで、ブラームスのオルガンコラールを制作してみました。

いくつかあるうちのOP122の11番です。

でもね、やっぱり、検索すればYouTubeにあるのねwww

ブライトコフのブラームスのオルガン曲の楽譜です。

イメージ 1



MIDIです。