さぁ、3日目に聴いた演奏は東京の(日本のかな?いや、世界の?)LFJの顔、ともいうべきミシェル・コルボの指揮によるブラームスのドイツ・レクィエムです。
これは地震のあった年、最初に予定されたプログラムにあって、チケットも取っていました。
随分前のLFJでの、やはりコルボの演奏だったロッシーニのミサソレもそうですが、このブラームスのドイツ・レクィエムも名曲でありながら著名な演奏家による演奏がめったに聞けない曲の一つと思います。LFJで取り上げていただけるのはとても嬉しいです。
この曲は本来オーケストラと合唱で演奏されるのですが、今回はピアノ連弾と合唱ということでした。
オケの弦の深みのある演奏がこの曲の魅力の一つと思っていましたので、少しがっかりしていたのですが、それでもコルボですから、素晴らしい演奏であると期待してきました。
LFJの会場の中で一番音響のよい演奏会向きのホールです。
ここのホールでは2階の前辺りがお気に入りですが、今回は3階です。勾配がかなりあるのでステージは良く見えますが、上から見下ろしているという感じはあります。
歌はドイツ語によるものですが、こういう曲の場合、LFJではプログラムのほかに歌詞も配られます。
さぁ、コルボさんが登場し演奏が始まりました。原曲では静かに低弦が流れます、すべてを悟ったかのようにゆっくりリズムを刻みます。そこへチェロがテーマを奏で始め、だんだん大きく高くなってヴィオラへと受け継いでいきます。
このくだりは、とっても好きなところで、素晴らしい演奏に出会うと甚く感動してしまうのです。
そこをピアノでどうやって表すのでしょう。興味もありましたが、がっかりするのではないかという心配もありました。男性2人のピアニストがピアノの前に座っています。ちょっと緊張して最初の音を待ちました。
あ、、すごくやわらかい、弦で演奏されてるのと同じだ、、、なんということでしょう。驚きました。
この始まりの部分は本当に本当に大切なところだと思うのですが、演奏者も細心の注意を払うところだと思うのですが、なんて静かで落ち着くのでしょう。
そして、なんと、コーラスの響きがオーケストラで演奏するときよりもずっと際立っているのです。
よく、アマチュアですとオケを調達できなくて仕方なく(ピアニストさんごめんなさい)ピアノ伴奏、ということが多いと思うのですが、これは違う、、わざわざピアノ伴奏にしたんだと思いました。
ちょっと、いや、かなり感激しました、新しい発見がありました。
オーケストラでの演奏を参考までに貼り付けておきます。
これはこれで、大変素晴らしいです。カラヤンです。