今日は、有楽町にブラームスを聞きに行ってきました。
渋いでしょう?w私もそういう年なのですよ。
年齢にはあまり関係ないかな?実は弦楽6重奏曲は10代のころから大好きなのです。
多感の思春期の頃、これの2楽章を聞いてとても深く感じ入ったのです。
何に感動したのかというと、多分この楽章が持つそこはかとない暗さ、ではないでしょうか?
最初に聞いたのは父が持っていた録音媒体、今となっては何だったか確認のしようがありません。
次にもっていたのはニューヨークでゲットしたレコードw、8ドル99セントの値札が今もついています。
残念ながら再生機器の関係で数回しか聞けていません。
その次は、ベルリン8重奏団による演奏のCD.フィリップスです。
多感な時代には感傷的なメロディや暗い音がとてもお気に入りでした。
が、今はそういう気分ではなく、曲の緻密さや構成、完成度でこれらの曲が好きですね。特にブラームスは。
よくできてる曲ですよね、本当に!あたしみたいな素人に言われたくもないだろうけどw。
もちろん、演奏者がどのように表現するかで曲がさらにイキイキしたりもしますね。逆もありますが。
そういう意味では、今日のプラジャーク弦楽四重奏団は素晴らしかったです。
以前から、プラジャークはいいよ、という噂を聞いていましたが、今回聞けて本当によかったです。
まず、弦楽6重奏曲の演奏は初めから、どんどん進んでいくという気がしましたね。
まったりしてないのです。行くよ!っていう感じでしょうか、もたもたしてたら置いて行かれそうです。
強引に引っぱってるというのとは違いますね、淀みない川のように積極的に前へ前へと進んでいくのです。
明るい変ロ長調が黄色っぽいオレンジ色の光を放ってるようなイメージがあり、
燦々と光の降り注ぐ中で弦楽器がそれぞれ会話をしているようです。とても絵画的です。
6つの楽器がそれぞれに旋律を奏でているのに、盛り上がるときはさっと6つが一つになります。
見事な厚みのある弦のハーモニーです。この曲は結構低弦がメロディを奏でます。
1楽章の最初、2楽章の最初ともヴィオラですね。途中チェロも十分活躍しています。
もちろんヴァイオリンも素晴らしく、高い音で目立つということもなくほかの楽器とのバランスの良い演奏です。
6重奏曲を奏でています。とても手慣れた演奏で、いつも一緒にやっているような呼吸のよさです。
安心感の漂う演奏、それなのに、聴衆を飽きさせない表情にとんだ演奏です。
それぞれのパートのソロもあったりしますが、ばちっと決まったときには、どや顔がw
特に、チェリスト(正面でしたからね)のどや顔がすごいです。このひと、笑顔もあり、首も振り、
とても楽しそうに演奏していますね。
ヴァイオリニストの顔は見えない位置だったんですけど、うん、と決めたときのどや頬が見えましたw。
お気に入りだった2楽章ですが、期待通りの暗さで始まりました。暗いだけではありません。
深い音色です、それぞれのパートが合わさると重厚できれいですね。
3楽章はスケルツォですが、とても楽しそうに演奏しているのが見て取れました。
テンポが上がって行ったり、元に戻って行ったりする箇所があるのですけれど、
一糸乱れぬ一心同体ぶりがすごいですね、かなり速めのテンポだったのですけれど、盛り上がりました。
4楽章、モーツァルトを彷彿とさせる明るくて軽快なロンド。弦の音色がとても明るいです。
それぞれのパートのデュオがきれいです。弦の音色がとてもきれいです。
それぞれの楽器の掛け合いも聞いていて楽しいです。
曲が終わった途端、割れんばかりの拍手が起こりました。わたしも、隣のおじさま(知らない人ですよ)も、
一生懸命に手をたたきました。本当に素晴らしかったです。
あとで、ご飯を食べてる時に、思いました。
あのプラジャークとツェムリンスキーの四重奏団の皆さんは、単にLFJで演奏に来ただけじゃなくて、
震災被害にあった日本を励ます演奏をしに来たのではなかろうかと。
あとで探した同じメンバーによる演奏のYouTubeと比べて今日の演奏は、ものすごく前向きで
明るくて軽快で、復興に向かってしっかり前を向いて気持ちを明るくもっていきなさい、って
そういってるように聞こえるんです。