ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

TEPCO一万人コンサート、世界劇「黄金の刻」に参加してきました。

本日、朝早くから雨のそぼ降る中、TEPCO一万人コンサート、世界劇「黄金の刻」(愛と永遠の絆)似参加するべく、武道館へいってまいりました。

下方の写真はこの演奏会の、プログラムと楽譜です。
物語は、「安寿と厨子王」。文豪の森鴎外が書いた「山椒大夫」という説話を基にした小説を、なかにし礼が独自の解釈で作り変えたもので、後半は特に「え?」と言う物語展開になっています。
小六禮次郎のダイナミックな音楽で、舞台はいっそう盛り上がり、聴衆はは舞台に釘付けになります。
舞台は大変豪華な構成で、オケとソロ、合唱のほか、舞台上の俳優陣、ダンサーたち、10を超える太鼓のパフォーマンスなど、3段仕立てになった舞台を所狭しと活躍します。
安寿や厨子王、魔王が空を飛ぶシーンもあり、舞台仕掛けも盛りだくさんです。

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プログラムの見開きには、
「光あるうち、光の中を歩め」とあります。これは、この劇のテーマのようなもので、最後の歌の歌詞に
何度も出てきます。
なんだか、どこかで聞いたせりふです。
聖書だったかな?と、思いましたが、これは、トルストイですね。
「光あるうち、光の中を歩め」という小説があるのです。
福音書に伝えられているキリストの教えに従って生きよと説いた晩年のトルストイの思想を示したもので、物語は利己心が渦巻く世界に生きるユリウスが、何度もその生活に嫌気がさし、友人パンフィリウスの生きる古代キリスト教の世界に入ろうとするが、やはり今までの生活を捨てきれず舞い戻る、しかし、長い魂の彷徨の果てについにキリストの教えにかえる、そういうお話です。

中高生の頃をちょっと思い出します。
キリスト教主義のその学校のバッジには、UT FILLI LUCIS AMBULATE とラテン語で書いてありました。
「光の子らしく歩きなさい」と言う意味で、この語句は新約聖書のエペソ人への手紙5章1・8節のことばです。「光」、というのは、神でしょうか?
この劇の中では、鏡の大王と言うのが出てきます。彼は光の象徴ですね。
闇の世界にいた厨子王を目覚めさせ、闇の世界(目が見えない)の芳乃に光を与え(目が見えるようにし)、闇の魔王と戦い、厨子王らに希望の光を与える。彼が厨子王に与えた「観音像」は光り輝き、悪人らを倒す。
悪魔(闇の魔王)に対して、神的な存在です。
鏡の大王と闇の魔王の戦い、それは善と悪の戦い、光と闇の戦いで、最後に「光は闇に勝つ!」と高らかに勝利宣言されます。


武道館、実ははじめて入りました。
北の丸公園とかは歩いたことは何度もあるので、外側は見たことはあるのですが、中へ入るのは初めてで*1わくわくしました。
すっごく広いですけど、椅子がちっちゃい~~!!まあね、、劇場の椅子じゃないから、すわり心地はよくないです。ここで休憩なしで2時間半、身じろぎもできないのはちょっと大変です。楽譜にはライトをつけますがライトつけたままの譜めくりって結構大変、めくるときライトの角度が変わって楽譜が見えなくなったりします。リハーサルと本番で肩はもうゴリゴリに凝ってしまいました。。

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実は、空飛ぶ仕掛けのワイヤーのある場所に近い席でしたので、安寿が空から復活して降りていくところ、準備してスタンバってる様子がよく見えました。直前まで幕を前に張って見えないようにしてるのですね。この幕のおかげで、指揮が良く見えませんでしたが。。。


リハーサルは、ほぼ本番と同じ進行で進められました。衣装をつけてなかったりする程度の違いです。
出演者は、舞台で演技してせりふを言う人と、歌を歌う人がいます。
つまり、山椒大夫役は舞台は里見浩太郎、歌は福島明也(バリトン)、と言う具合です。
安寿は高島礼子と澤畑恵美(ソプラノ)、厨子王は尾上右近と経種廉彦(テノール
芳乃(安寿と厨子王の母)は佐久間良子と宇佐美瑠璃(ソプラノ)、
鏡の大王は麿赤児と久保和範(バス・バリトン)、闇の魔王はダレン・リーと蔵田雅之(テノール
こはぎ(乳母)松原智恵子と秋葉京子(メゾソプラノ)、山岡太夫林与一、、といった顔ぶれでした。

どちらかというとベテラン勢が多い中、まだ10代の尾上右近がとっても初々しかったです。
しか~し、オペラグラスを忘れたので、舞台上はしっかり見ることができませんでした。
まあ、今日は出演者ですから。。。。
で、肝心の歌はどうだったかというと、リハーサルのとき、オケの音が良く聞こえなかったり、副指揮者の指揮がよく見えなかったこともあり、ちょっとずれたりしましたね。。で、そこをずれないようにと注意があるわけでもなく、、、そのまま本番へ、、そして本番でもやっぱりずれましたよ。。
でも、いいみたいです、それでも、、お客さんはどう思ったか知りませんが。
まぁ、お祭りですから。。。。とりあえず、客席も出演者席も満員でした。
私たちは、近くから参加した方で、遠くは静岡とか(朝、3時起きですって!!)、新潟とかから参加された方もあるんですね。
明日は、国技館の第九です、私は今年は参加しませんが、出演者の中には、終演後リハーサルに駆けつける人もいるとか???

疲れましたが、結構面白かったです。

*1:o(^-^)o