ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

LFJ~まとめ♪

イメージ 1

LFJの何が好きかっていうと、一日中、大好きなクラシック音楽漬けになれることです。
これは、ディズニーランドで遊園地付けになれるのと似ています。
丸一日、自分の好きなものに溢れた非日常の世界で過ごせるのです。ディズニーランドで、
どこを歩いてもディズニーの音楽、キャラクタに溢れいつもの現実の世界はどこかへ飛んじ
ゃっています。LFJも会場の建物の中のどこを歩いてもバッハが流れています。
バッハグッズが溢れ、あちこちの会場でコンサートが行われ、何て贅沢な時と空間なのでし
ょう。

45分1500円が基本の演奏会も、高いのか安いのか、そのものによって、満足度によっ
て、賛否両論あるかもしれませんが、マタイ受難曲全曲、3時間にわたる演奏をコルボの演
奏で、S席で4000円で聞けるのは、絶対に安いです。
また、演奏家の息遣いも聞こえるような間近に見ながらの1時間のコンサートが2000円
と言うのは絶対にお得だと思うのです。
そのほかにも、アマチュアの演奏会を見たり聞いたり、映画やいろんな催し物に無料で参加
できるのも楽しいです。

自分でスケジュールを組んで(これは、面倒といえば面倒ではありますが)、何時からここ
、次はそこ、と移動してるとまるで、大学の音楽の講義にでも参加してるようで楽しいです
。実際、学ぶ事が多いのです。
今回のLFJでは、プロの演奏家の話を聞くことができ、面白かったです。
また、様々な演奏家達の演奏から、それぞれの音楽へのアプローチの仕方を感じる事が少し
出来た気がします。



バッハの音楽、或いはバッハと同時代の音楽は、音のみを楽譜に残し演奏方法はそれぞれの演奏者に任されていたことを思うと、演奏家は曲を自分なりの表現で演奏し、その演奏は他の人と違う個性を持ってることが大切だったに違いありません。
そういう意味では、ただただ、楽譜どおりにしか弾けない演奏家にはバッハは難しいものになるでしょう。逆に、自分の個性を表現したくてうずうずしてる演奏家には、持ち前の個性を余すところなく発揮できる音楽かもしれません。


これまでは、技術の足りないアマチュアとしては、自分の個性の表現なんて二の次だし、まだまだ練習しないとだめだし、、と思っていました。
実際、子どもの時、はじめてバッハの楽譜を開いたときに、当時かなりご年配だったピアノの先生が言いました。
「バッハは、トリルの入れ方にしろ、フレーズのつけ方にしろ、音符の切り方にしろ、ちゃんと規則があるから、適当にいい加減な事やってると笑われますよ。」と、、
以来、バッハは敷居の高~い音楽になってしまいました。
時々、楽譜やさんで見かけるアレンジ物のポピュラー音楽になってるバッハだと自由に弾けるみたいな。。。
でも~~~グールドさんの演奏はどうなの?全然他の人と違うし、リヒターさんだって、ほかと違う事してるじゃない。。と思ったのでした。


大学へ入ってから、パイプオルガンを弾くようになりました。
フレーズの取り方は、これでもいいし、それでもいいし、、先輩や先生方に教えて頂き、幅広い解釈ができることを知りました。ベルギーでフランスのオルガン音楽の勉強をされた先生には、トリルの弾き方も均一にきちっと弾くやり方と、ゆっくり始めてだんだん加速をかけて弾くやり方とあるのを教えて頂きました。
他のオルガニストの方々もそれぞれとても自由に弾いていらっしゃいました。
おかげで、バッハと少し距離が縮まりました。

そして今回のLFJで、もっともっと自由に演奏されるバッハを聞いた気がします。
おしゃれなフランス風バッハ、熱い血の滾るバッハ、ダイナミックなバッハ、こみ上げる気持を押さえたバッハ、などです。演奏形態も古楽器を用いたもの、現代楽器を用いたもの、現代風大きな編成のオケのもの、当時のような小編成のもの、、、どれが正しくてどれが正しくないというのではなく、どれも、バッハなんですね。

また、バイオリニストのレツボールさんが、言っておられましたが、自分のヴァイオリンは自分の体の一部のようなものだと。
自身とヴァイオリンと一体になって弾くのですね。そして、体の一部のヴァイオリンの事は、手にしただけで、その日、どこの具合が悪いとか、わかる、というのです。
そういえば、ネマニャ・ラドゥロビチは彼自身がヴァイオリンのような演奏でした。
コロベイニコフは、ピアノの一部になってしまっていたようです。
演奏者は楽器を演奏する時、楽器と一体になり、楽器に魂を吹き込むのですね。そして一緒に演奏する。そんな気がしました。

じゃぁ、下手くそな方のアマチュア(プロ顔負けの人もいますが、そうじゃなく)としては、自分の出来る範囲のテクニックのなかで、自由にバッハをやってもいいんじゃないかな、という気がしてきたのです。
歌でも、ピアノでも、ちょっと自分らしさを出してもいいのかなと。
これから、ちょっとバッハを弾いてみたいと思いました。