ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

頑張った一日~♪その2~マーラーの克服

さて、2時間ぶっ通しのテストも終わり、新宿をあとにして川崎へやってきました。
去年の春に、あまり好きではなくて聞いてない作曲家の音楽を積極的に聴こうと思い立ったのでしたが。。。それは、ラフマニノフマーラーの2つきりで終ってしまい、あとはオペラにはまってしまいました。。。

ドイツの作曲家のうち、苦手なのがありまして、リヒャルト・シュトラウスマーラー、そして、ブルックナーの3人については、自分から好んで聞くことはあまりありませんでした。
このうち、R,シュトラウスについては、「薔薇騎士」と「アルペンシンフォニ」のMIDI制作で、私にもわかりやすい音楽だという事が判明し、ぼちぼち聞いていますが、
ブルックナーは、よく聞くときれいなメロディがあったり、わかりやすかったりするのだけど、なんだかね、いくら美味しいものでも大きすぎると食べれないみたいな。。。
そして、マーラー、、2番と5番はCD持っています。歌った事のある「復活」の合唱のところと、例の映画で有名になった「アダジェット」のところしかほとんど聞きませんでした。^^2番は去年友人の演奏会に出かけて、しっかり聞いて合唱の前のところも結構よいなと思えるようにはなりました。

何が苦手なんだろうと、考えると、先が読めない、ことかもしれません。
こういう音やフレーズが来たら、次はこういう音やフレーズが来る、という予想があったりしますよね。
そこに意外な音を持ってきたり、意外な展開をしてみせて楽しませる、と言う手法もあるのでしょうが、
なんか、予想が外れまくりみたいな気がするのです。
それじゃ、ちゃんと点数取れないよ、みたいな。。いや、、テストじゃないんだって。。。
そういう手法上の問題ではなくて、好みとか趣味とかそういう気がするのです。
延々と続く、、という気がするのですね。古典派、ロマン派だと大抵は予想通りにいきます、すっきり終わりになりますが、、形式上の問題なのでしょうか?
いや、シューベルトなぞは、それほど形式にこだわってるようにも思いません。
単純に、音の組み合わせとかが、私のつぼにはまらないだけのような、そんな気がします。
聞き慣れてないというだけのことかもしれないのです。

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で、この日の演目は

シューベルトイタリア風序曲第2番ハ長調D591」
リスト「死の舞踏」
マーラー交響曲7番ホ短調~夜の歌」 

そして演奏は、
 
東京交響楽団
指揮:飯森範親  ピアノ:岡田博美

指揮者の飯森さん、やや茶色の長い髪にイケメンです。宝塚の王子様みたいな印象です。
それに対してコンマスのグレブ・ニキティンさん、とても背が高く大柄で逞しいです、ヴァイオリンがとても小さく見えます。

最初のシューベルトの「イタリア風序曲
モーツァルトのような明るさ、軽快さで始まりました。マーラーの前ですし、かる~く流してるなと言う気がしてなりません。軽い曲ですけどね。イタリアっぽといえば、明るさと軽さがそうなのでしょうか?
イタリアオペラの序曲風ですね。
テスト疲れの私の耳には心地よく聞こえました。

次のリストの「死の舞踏」
こちらは、ベルリオーズの「幻想」で有名なグレゴリオ聖歌のレクィエムの続唱「ディエズイラ」のメロディが形を変えて流れていきます。
最初はピアノの低音でテーマが示されます。ピアノのテクニックはすごいんですね。鍵盤の上を上から下まで撫でるように往復していますが、細かい音がびっしりと詰まっています。さすがリストの曲ですね。
で、ピアノソロのオケ伴つきの曲ですね、、ショパンやリストにありがちの。
ここでもオケは、主役をピアノに譲っていますから、かる~く流してるように聞こえてしまいました。
そもそも、指揮者が本気を出してない気がしてならないのです。そういう見方をしちゃいけないと思いながらも。

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さて、休憩です。
ところで、この日の席はP席でした。ミューザは以前も書いたと思いますが、客席がらせん状になっています。この螺旋の部分の席ですと何だか傾いてる気がしてしょうがないのです。外の廊下もフラットではなく左右に勾配があります。ちょっとめまいがします。ステージ後ろのオルガンの真下、P席だとフラットなんですね。ピアニストも指揮者もよく見えますし、このホールではP席が気に入っています。
周りを見回すと中年以上のおじ様ばかり、、若い男女も少し見られますが、やはりマーラーは男性に人気なのでしょうか?かしましいおば様たちの話し声もなく、若い女の子たちの声聞こえず、もくもくと音楽に聞き入ってる人が多いです。静かでいいですけど。
ここでも、マスクを着用。風邪予防と乾燥による咳予防です。時々、喉がかゆくなるので(多分風邪ひいてるんですね)のど飴を口に入れてマスク、です。これで咳が出ることもなく周りに迷惑もかけずにすみました。


マーラーの7番、始める前に、指揮者は集中力を高めているのか沈黙、気合を入れてさっと始めました。
前半の2曲とは全然違います。優しい顔の王子様が変身して勇ましい戦士になったような、そんな変わりようですね。目が違います。鋭い目になりました。
これが本命という意識がひしひし伝わってきます。
それで、1楽章は一生懸命に聞きました。でも、、、聞けば聞くほど各パートがバラバラになっている気がしてしょうがないのです。時々、一体となってきますが、またバラけてしまいます。
レスピーギのハチャメチャなお祭り騒ぎのばらけ方とは違いますし、混沌みたいな、、ん~~やっぱり、よく消化できない。そして、終りそうで終らずに延々と続いていく曲の流れはどうなってるんだろう。。
弦はきれいだし、管楽器もよく鳴ってるし、演奏は素晴らしいと思うのだけど、

2楽章、4楽章とともにセレナーデなのだそうですが、私の持つイメージの甘くて切ないメロディのセレナーデとは全然かけ離れてて、う~ん、ホルンがきれい、あ、異質な音がすると思ったら、コッレーニョ?
3楽章、ごめんなさい、眠くなった・・・目を閉じて聞いてると、オケの音が鮮明に頭の中で響いて心地よいのだけど、音楽そのものには関心がない状態です。

4楽章、再びセレナーデ、でも、これまでに聞こえなかった音がして、目がパッチリ開きました。
ギターの音です。なんて爽やかな響きでしょう。セレナーデは恋人の住む家の窓の下でギターを奏でながら歌うものだと聞きましたが、それですね、、とても甘美なギターの響きに身を乗り出してしまいました。そう、ギター奏者がどこにいるのか見たかったのです。マンドリンもありました。
メロディもチャーミングです。この楽章は好きになりました。

5楽章、フィナーレですね。すべての楽器が生き生きと演奏しています。なかでも高らかな金管ティンパニの連打が元気で素晴らしいと思いました。そして、パーカッションも。夜の歌の最後は夜明けなのでしょうか?カウベルやらチューブラーベルやら、忙しくカンカン叩いていました。
最後のところ、マエストロが足を踏ん張って気合を入れて、全員一体となって最後の音を振り絞る、一瞬一筋の音を残して静寂、その後、じゃんじゃん!!で華々しく終りました。
すっきりしました。拍手!!

この曲、全体的には、まだよくわかりませんが、部分的にとてもきれいな箇所もあり、コンマスのヴァイオリンソロや管楽器のソロなどは、大変美しかったですし、これから、もっと聞けば好きになれるかもしれません。ちょっと慣れてきました。やはり、食わず嫌いですませないで食べてみるとその美味しさがわかるのかもしれませんね。