ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

オペラ「カルメン」~♪(上)

こんばんは、ちょっとおひさです。
先週は、少し忙しかったので、記事をアップする余裕がありませんでした。
土日でちょっと落ち着いて、そして、そして、久しぶりにオペラを見ました。
なので、久しぶりに今日は長いです。

今日のは、「カルメン」。
月並みではありますが、本物を見たことがないのです。
テレビとかビデオ、DVDではいくつか見ましたし、地元の合唱団員として参加した事もある
のですが、そう、この間のガラコンでも4幕を歌いましたよね。
そして、今回は音楽監督・指揮が佐渡裕です。どんな「カルメン」に仕上げているのか、興
味があります。(この先、大いにねたばれあります。これからこのオペラを見に行かれる方
は読まない方がよいかもです)

カルメンは人気があるとは聞いていましたが、東京文化会館に入ってみると、たくさんの人
。。。5階の2列目まで(つまり一番最後列まで)ほぼ満席です。
これの前に来た「愛の妙薬」では、後ろの方は結構空いていました。マノンのときは、1階
席ですらがらっと空いていました。
冷房が強すぎると冷えるからとショールを持ってきたのに、この大勢の人の熱気のせいでし
ょうか、場内は扇子で扇ぐ人もいるくらいの高めの温度でした。
多くは、カルメン・ファンかもしれません。ロビーで出会った人とお話をしても、今日のカ
ルメンがどんな風なカルメンなのかを見たい、聞きたい、と話していました。
この場面の次はこうで、この曲が歌われて、、とすべてわかってても、見たいというのはそ
ういうことなのですね。
プログラムの佐渡さんのコメントにもありましたが、「どこにでもあるようなカルメンで終
らせません。皆さんの期待をよい意味で、裏切るような仕掛けをたっぷりと用意しています
。」ということですので、本当にわくわく、して開演を待ちました。

イメージ 1


拍手が巻き起こり、指揮者が入場、大きな振りで大変活気に満ちて前奏曲が始まりました。
おなじみの元気のよいメロディ、少し速めですが、闘牛士の歌のメロディのところでゆっく
りめになり、メリハリの効いた演奏です。
と、、あの運命の動機「た~、ら、ら、ら、ら~、(どん、どん)」(で、解っていただけ
ますか?w)が始まったと同時に、舞台に死刑執行人とホセが現れ、椅子に座らせられたホ
セは後ろから首を締められ死刑になります。
これは、、後日談なのですね。
メリメの原作に忠実に、というようなことがプログラムにありましたが、この処刑の場面の
処刑方法というのは、ホセがドン・ホセの名前にあるよう貴族(ドンが付く)であるからな
のだそうです。貴族が落ちぶれて、盗賊団に入り人殺しをしてしまったんですねぇ。。。

さて、1幕では、セビリアカトリックのお祭りで仮装した人々が通り過ぎて行きます。十
字架を背負ったキリスト、ローマの兵士など、、
時は19世紀末か20世紀はじめ? 初期のカメラが記念撮影をします。
煙草工場の女達も、記念撮影? お祭りだから????
「たちの~ぼるけむり~ゆら~ゆ~ら~♪」と歌いだしたくなりました。
カルメン、とっても奔放で情熱的ですね。たいていのカルメンはそうですね。おとなしいカ
ルメンなんていません。しとやかで純情で優しいのは原作にはないミカエラの役割で、対照
的にしているのですね。
律儀で小心者なホセと大胆で勇敢なエスカミーリョも対照的です。

物語は、女工達の喧嘩そしてカルメンの逮捕、誘惑の歌トゥラララ~からセギディーリアへ
進み、ホセがカルメンを逃がしてしまうところでは、カルメンの一味が兵士たちを縄で縛っ
カルメンの応援をします。
よく、兵士を倒してそのまま逃げる、というのもありますが、1人の女に突き倒されたくら
いで逃がしてしまうなんてちょっとありえないですよね。。。


2幕です。
2幕の前奏曲はアルカラの竜騎兵、舞台はホセの独房。ホセが兵隊たちに連れてこられ、房
に入れられます。
そしてジプシーの歌が始まると、これは、ホセの夢なのでしょうか?
彼の独房に3人の女が現れ、ジプシーの踊りを踊ります。カルメン、フラスキータ、メルセ
デス、でしょうか・・・
ジプシーの歌は酒場で踊られ、もっとたくさんの踊り子たちの踊りであるという印象があり
ます。そういう演出が多いでしょうね。
舞台は酒場に変わり、酒場の主が「そろそろ閉店です」というところから始まります。

そう、これは、ギロー版ではないのです。
レシタティヴォで全編を音楽でつないだギロー版を使うことで、次の音楽を予測されてしま
うのは抵抗がある、という佐渡さん。オリジナルを使うことで、音楽のコントラストを出し
、3幕については、主役のせりふが多くなって負担をかけてしまうので、ギロー版を用いる
という事なのですが。。
ホセに会いにきたミカエラに、ホセが、「ミカエラ!」と声をかけるところで、音楽が幸せ
そうに長調の和音でだん、だん、だん~♪と鳴るところがギロー版にあります。
あれは、ホセのとっても嬉しそうな気持を表してると感じていましたので、あれがないのは
なんか物足りないと感じました。それ以外は、版の違いによる違和感はそれほどありません
でしたが。

カルメンがホセの前でカスタネットを鳴らしながら踊る場面、実際にカルメンがカスタネッ
トを鳴らさないというのは、とても違和感がありました。オケピットがよく見える席(いつ
もの5階席ですがw)からだと、オケピットでカスタネットを鳴らしてる人が見えるし、カ
ルメンとは別方向から音が聞こえてくるのですから、、、
ここは、昔、ご一緒させていただいた青山智恵子さんのように、自分でカスタネットを鳴ら
して踊って欲しかったですね、、
となると、、カルメン役は大変です。あばずれっぽいけれど情の厚いジプシー女を上手に演
じられて、踊りが踊れて、カスタネットもうまくないと、、もちろん、一番には歌がうまく
ないと、、

上官のスニガが撃たれてしまう(スニガは死んだのでしょうか?ホセがスニガと剣を交えて
刺してしまうというのもありましたが、今回は盗賊団に撃たれます)、カルメンと一緒に盗
賊団に入るしか選択の余地がなくなってしまったホセに、みんなで歌う「自由よ~世界中ど
こへでもいける」合唱で2幕は閉じます。
昔一度やった事があるだけなのに、どの歌も鮮明に思い出すから不思議です。これしかオペ
ラはやったことがないからでしょうか?ビゼーの曲がそれほど印象的だからでしょうか?

歌手達は、カルメン、ホセ、はよかったです。どちらも外国の方で、こういうねちこい役に
は日本人よりもうってつけな気がします。特にカルメンはよかったです。
惜しいのはエスカミーリョ、もう少し声量が欲しいかな、「闘牛士の歌」はもっとがんがん
歌ってくれないと、強い闘牛士のイメージがないな、とか、思ってしまいました。
ちょっと上品な闘牛士さんです。


2幕が終って休憩、、
ちょっと頭痛がしてきました。舞台に釘付けになって一生懸命見ていたせいでしょうか。
頭痛薬を飲んで、これ以上頭痛がひどくならないよう予防です。


続きはこの下のページです。^^オペラも3時間あまり、短いオペラの2倍ちかく、なので、
記事も2倍wwww