ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

オペラ4~トゥーランドット♪

いよいよ、トゥーランドットを見に行きます。
DVDもいくつか見ましたし、あのネッスン・ドルマはオペラ・ガラコンサートで合唱に参加したこともあります。そして、最近は現田さん指揮のガラコンサートを聞きに行きました。
いよいよ本物が見れるというのは、とてもわくわくします。

実は、このオペラ好きではありませんでした。
どうしてって、あの冷たいお姫様が嫌いでしたし、リウがかわいそう過ぎるからです。
カラフってばかです。父親や献身的なリウのとめるのも振り切って、姫の謎掛けに挑戦するなんて、、
って言ったら、あるオペラファンの男性の方に言われました。
「落ちぶれて、失うものが何もなかったら、そうやって賭けに出るということもある」と、、なるほど。
それでも、愛するカラフを守るために自らの命を絶ったリウのことをそれほど悲しみもしないで、トゥーランドットのところへ行くなんて、、、リウの死はなんだったの?、、、などなど思いました。

元のストーリーは、千一夜物語、とか千一日物語にあるようです。(どちらも起源は同じ?編集者が異なる?)ペルシア起源の謎かけ姫物語の系譜というのがあるようで、研究もされているようです。
ペティ・ド・ラ・クロワの千一日物語をもとに劇作家カルロ・ゴッツィが1762年に著した戯曲、それをオペラにしたのがプッチーニの「トゥーランドット」なのですね。

気になることが1つ、ティムールと言う名前が出てきます。ティムール帝国のあの、ティムールを想起しますね。高校の頃世界史でやりました。その帝国は短期間のうちに広大な領土を得て中国を脅かします。
ティムールが目指したのは元朝の復興でした。そのため当時の中国、明に遠征を企てたが途中で病没、、
その志は遂げることなく、帝国は分裂していく、、
地位を追われて放浪しているオペラのティムールは、このティムールではないということですね、落ちぶれた分裂後のティムールの子孫の1人ということでしょうか、、

10月5日、東京文化会館です。明*ブルガリアヨーグルトスペシャルと冠したソフィア国立歌劇場の来日公演です。
ワクワクして舞い上がっている時は、とんでもない失敗をやらかしたりします。時間間違えてないよね、場所間違えてないよね、チケット持った?、十分確認して家を出ました。(笑)


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会場にはブルガリアの商品が並んでいます。ブルガリアのお人形、フレーバーティー、バラのジャム(ローズヒップ、シロップ漬けのエリキサ、ペタル(花びら))そして、ローズウォーター(飲み物とローション)、人形以外みんな試しました。^^

G.プッチーニ:歌劇「トゥーランドット
指揮:エミール・タバコフ
演出:プラーメン:カルタロフ
トゥーランドット:エレーナ・バラモヴァ
皇帝アルトゥム:ミロスラフ・アンドレエフ
ティムール:ディミター・スタンツェフ
カラフ(ティムールの息子):コスタディン・アンドレーエフ
リウ(ティムールの奴隷):ラドスティーナ・二コラエヴァ
ピン;アレクサンドル・クルーネフ
パン:オルソン・コラノフ
ポン:モミチル・カライヴァノフ
役人(マンダリン):ストイル・ゲオルギエフ

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今日の席はよいほうです。少し左過ぎたかなと思いましたが、全然大丈夫。よ~く全体が見渡せます。
1階席なので、ピットの中の様子がわかりません。
拍手が上の階の方から巻き起こりました。ピットにオケが入ってきたのでしょう、こちらからは指揮者が深々と頭を下げるのしか見えませんでした。

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幕が開き、オペラが始まりました。暗い城壁の情景です。
大道具はややシンプル、前面に回転するスロープのある台、後方に階段付の2階(城壁だったり、皇帝の玉座だったりします)が設置されています。
役人が、ティムールがリウが、そしてカラフが登場して歌い始めました。
あ、カラフあまり上手くないんじゃない?ちょっと心配になりましたが、すぐに立ち直りました。
でもね、カラフのヘアスタイル、ちょっとかっこ悪いです、おサルみたいじゃないの。。。
ソリストみんな上手いです。特にリウが素敵だと思いました。トゥーランドットも上手いんだけど、なんだろ、役のせいかな。。
ピン、パン、ポンの軽妙な演技もよかったです。もちろん歌も主役達を食ってしまわない程度によかったです。この暗いオペラを明るくしてる唯一のキャラクターですよね。
オケも、かなり迫力があって上手かったです。特に金管がよく音が出ていてよかったです。

さぁ、後半です。トゥーランドットといえば、「ネッスンドルマ」が昨今ではとても有名ですね。
見せ場のひとつでもありますから、皆さん注目してたと思います。
カラフが情熱的に歌い上げます、曲としては大変盛り上がるのですが、ヴィチェロ~のところで、今1つ物足りなかった、、、なんでだろうかと、ずっと考えて、、ああそうか、オケが盛り上がりすぎてカラフの声がよく聞こえなかったからかなと思いました。
さて、リウが死んでしまう場面です。私がとっても不条理を覚える場面なのですが、この場面のリウの歌はとっても素晴らしいです。あ~もうだめ、、、泣き虫のぺんぎん、涙がポロポロ。。。やだ、止まらない。。この公演では、ネッスンドルマでも、謎解きの場面でもなく、このリウの死の場面で大変感動しました。
よかった、とってもよかった、そんな気持で拍手をしました。
カーテンコール、何回もでてこられたので、ずうっと拍手しっぱなしでした。

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帰りも上野の森を抜けて帰りました。
もう葉っぱが黄色く色づいてるものもありました。
文化会館の周りの公孫樹の木は、まだしっかりと青々していましたが。夕暮れの近付いた森の向こうに明かりが見えます。こういう風景って好きですね。
明かりは、上野の森美術館です。

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オペラの余韻を楽しみたくて、トランペットの鳴り響く文化会館前をそそくさと後にしたのですが、途中にはこんな伏兵も、、、思わず立ち止まってしまいました。