ぺんぎんの音楽日記

クラシック音楽について、絵画や鳥たち、日々の生活について自由に書いていこうと思います。

「パガニーニの主題による狂想曲」と「展覧会の絵」

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雨模様のお天気、晴れない気分と相まって、本来は楽しいはずの演奏会に行く気があまりおこらない。。。
チケットとったときは、楽しかったんですけど。
ぐずぐずしてたら、大変!間に合わないかも・・・・
あたふたと出かけました。
でも~品川で走り、川崎駅からも走って5分前にぎりぎりミューザ川崎に飛び込む。。
雨の中を走って、、、

前は正面だったんだけど、今日はパイプオルガンの右側、つまりステージの右後ろ側の席でした。どんな席を取ったかってことは、当に忘れています。真ん中のステージを底にして、周りがらせん状に上がっていく左右非対称のホールです。
けれど、大変開放感のある感じがよいと、この間は思ったんですが。。。

この前もちょっと思ったんですが、座席の横列が水平でない、座席の通路が坂になってるのでなんか歩いてて違和感があるのです。ぐらっと来そうな、バランス崩しそうな。。ホールの外へ出ても、廊下に坂があります、それもでこぼこした坂が。。。
外の廊下の方は、まだ明るいのでよいのだけど、それでも壁のアーティスト達のサインを見ながら歩いてバランスを崩しそうになった・・・それって私の単なる不注意?(笑)、、

人間って勝手ですね、、この間はとてもよいところだと思ったのに、、
気分でこうも見方が変わるんですね。

席について、いっそう不満が。。。隣の年配のお姉さま方のグループ、おしゃべりがすごい。。。
演奏者が入場して、拍手が起こっても、一向に止めない。。。
ピアニストが登場、拍手がいっそう巻き起こる。
背が高くがっちりした大柄のピアニスト、ラフに黒いシャツを着こなし、ふつ~の若者風。
山手線とかで見かけるとただの観光客なんだろうな、と、ふっと思いました。あたりまえですけど。。

「あら、大きい人ね」、、やっとおしゃべりやめてステージに注目した隣のおねえ様方。

演目は

ラフマニノフ:「パガニーニの主題による狂想曲」Op43
ムソルグスキ:組曲展覧会の絵」(ラヴェル編)

この2曲を
ピアノ:ニコライ・ルガンスキー
指揮:沼尻竜典
管弦楽:東京交響楽団コンマス:高木和弘)
で、聞きます。


ピアニストが椅子に座ると、演奏が始まる。例のパガニーニの旋律が流れはじめる。あ~これ、このメロディ、、オペラグラスを取り出してピアニストの手の動きを見る。手に取るように見えるというのはこのことね。ここの席からだとピアニストの左後ろからよ~く見えます。そのためにこんな場所の席を取ったんだった。と思い出す。
大きな手、太い指、でも、誰かさんみたいに隣の音を引っ掛けやしませんよ、、(そういうレベルと比べるなって!)ちょっとごつめの手が繊細に動いて、流麗なピアノが流れる、、細かいテクニックも、力強いオクターヴの移動も、よゆ~ですね。バリエーションが流れていきます。

ふっと気づくと、ピアノしか見てない、そそ、目に心を奪われて耳がおろそかに、演奏を聴きに来たというのに。。。しかも、オケの存在さえ忘れてしまって、、あら~アングレの音が私の好きな柔らかめの音でなく、ちょっとべ~べ~いうタイプだなと思ったくらいで、、
指揮者は、かる~く指揮してるように見えました。7~8つめの変奏曲で、あれ、これ「ディエズイラ」だわ、、、グレゴリオ聖歌のメロディがこんなところに使われてる。というか、この曲聞いたことあるはずなのに(CDもってるし)、今まで気づかなかったのだろうか、忘れちゃったのでしょうか。
やっぱり、ラフマニノフは頭に入ってないです、何度か聞いてても興味ないと全然聞こえてないんですね。
今年は演奏会に行こう、と言うのをこの春に掲げましたが、なかでも、ラフマニノフマーラーなど、苦手作曲家の曲をちゃんと聞いて苦手克服(ブルックナーは、また今度)をしようというのもありました。
4月にラフマニノフのピアノ協奏曲を聞いて、きちんと消化できました。
今回の「パガニーニの主題による、、、」ですが、今までいかにいい加減に聞いていたかがよくわかりました。
そのあとのたしか18変奏に出てくる、ゆったりとした甘いメロディ、たしか映画音楽に使われてた、子どものころにまず、映画音楽として聞いてあとでラフマニノフだと知ったメロディ、が、やはり印象的でした。
そのあと、また「ディエズイラ」が顔を出して、曲は終りに。。
鳴り止まぬ拍手に、ピアニストがアンコールに選んだのは、同じラフマニノフ前奏曲。これも素敵な演奏でした。

「36歳ですってよ!」隣のお姉さま方のおしゃべりがまた始まります。
ピアニストの年齢のことらしい。
「よかったわね~」誉めそやしています。
そういえば、演奏中はまことにお静かでした。ほっとしました。でも、一生懸命聞いていたのとはちょっと違うみたい。。時々頭がこっくり揺れていましたし。。。



休憩の間、廊下へ出ました。
ちょっとのどが渇いたのですが、飲み物売り場には長蛇の列、、、別にいいや~って気になりました。
H*VがルガンスキーのCDを売っていました。
ふと見ると、オケのCDも。後半で演奏される「展覧会の絵」のCDもありました。よくみると、、、
見たようなジャケット発見!これ持ってる!それはアバド/ベルリンフィルのCDでした。決して新しいものではないのに、人気あるのかな?

席に戻ると、お姉さま方はまたもおしゃべりで盛り上がり、、、地元の敬老会の話から、家族の話、病院の話、薬の話、、そういう話って演奏会場とかで聞きたくないんだけどな。。
日常から離れて音楽を楽しみに来てるんだけど、こちらの方々はこうしてどこへでも日常を引きずって行くのかしらね。非日常はありえないのでしょうか。

ステージの上は、ピアノが片付けられ、打楽器が確実に増えています。
指揮者の沼尻さん、指揮台へ上がると、すぐに指揮棒を振り下ろしました。今度は気合が入っています。
しょっぱなのトランペット、音色がきれい、高らかにテーマを歌う。他の金管もいい音しています。木管のアンサンブルもGOOD! あ、、でも、弦の切れがよくないです、、どうしたのでしょう。テーマをもたもた演奏しているように聞こえる。
2曲目の「こびと」はパーカスに気をとられ、弦は気にならない。
3曲目「古城」、ちょっとわくわく。アルトサックスがどんな風に演奏されるのか興味ありました。音色はきれいでしたが、少し単調でしたね、おかげで、お隣のお姉さま、すっかり気持ちよく寝てしまって。。
次の「ビードロ」では、暗い曲ではありますが、オケ全体がとても生き生きとしてることに気付きました。ぐんぐん盛り上がっていく。
あ、やっぱり最初は、低調だったのかな?
カタコンベ」に続く「死せる言葉による死者への語りかけ」の終りのところで音がpppとかになるのですが、あちこちで咳がきこえました、
この静けさの中から、「バーバヤーガ」が始まるんです、この静けさは「間」なんですけど、、、
躍動的で荒々しくさえある「バーバヤーガ」も好きです。ピアノで何度か挑戦しましたが、、あはは、ですね。弾けたら楽しいでしょうね。ストラヴィンスキーのプリミティヴィズムにも似た原始的な踊りの曲みたいですね。
そして、その狂気に似た騒ぎから、整然と厳かにキエフの門が始まるというのがまた、素敵です。
今回の席は後ろのティンパニに近く、ティンパニがいやというほど響いてきます。シンバルもですね。
このキエフの門のシンバルで、お隣さんは、ようやく目覚めたみたいで、華々しく曲が終わると、一生懸命拍手していました。

アンコールは、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」でした。
演奏慣れてるのでしょうか、自信に満ちた穏やかで甘美な世界が広がりました。
ピアノでも聴きますが、やはりこの曲はオケが優しさをいっそう増させてよいと思いました。


演奏会が終わったら、とっとと家に帰りました。電車の中でこの記事を書きました。
そして、2日間も放ったらかしに。。。
次は金曜日にオペラ行きます。「リゴレット」です。^^